リスクガバナンス

基本的な考え方

リスクガバナンスは、コーポレート・ガバナンスの枠組みにおける重要な領域であり、SBI新生銀行グループでは、取締役会および経営陣による監督や執行のあり方を適切に定義し、機能させることにより、リスクを持続的にコントロールするための自己規律としています。

 

SBI新生銀行グループでは「グループリスクガバナンスポリシー」を制定し、健全なリスク文化、リスク選好に基づく業務執行、および適切なリスク管理を要素とするガバナンスの考え方を明確化しています。金融機関が安定的な収益を獲得し、持続的な成長を実現するためには、リスク選好を明確にしながらリスクテイクしていくとともに、これを支援する適切なリスク管理が必要です。これらは個々の役職員の判断と行動の集積であり、規則やルールはもとより、組織の価値観やカルチャーからの影響を強く受けます。リスクガバナンスへの取り組みは、これらのすべての要素への俯瞰的な目線が必要であると考えています。

 

私たちはリスク管理の高度化の努力を重ね、保有するリスクにふさわしい体制の整備に向けて継続的な努力を続ける一方、リスク選好に基づく適切な業務執行のための体制構築に力を入れ、リスク選好と財務計画の整合性を基礎とする統合的な経営管理フレームワークを整備してきました。さらには、SBIグループの一員として、その経営理念も踏まえ、健全なリスク文化の醸成にもあらためて取り組んでいます。

リスク文化

強固なリスクガバナンスを確立するためには、健全なリスク文化の醸成が不可欠です。SBI新生銀行グループでは、SBIグループが掲げる共通の経営理念および「SBIグループ・コンプライアンス行動規範」のもとで「SBI新生銀行グループ行動憲章」を定め、これに従って行動することを前提とし、そのうえでリスクに向き合う際の行動原理となる価値観をリスク文化としています。

 

企業価値の向上のためには、リスクを回避するだけでなく、取るべきリスクは取る、適切なリスクテイクの姿勢が重要といえます。このため、取締役会および経営陣の基本姿勢がその起点となることを明確にしたうえで、職員のリスク意識にかかる調査を実施するなど、健全なリスク文化の醸成に向けた取り組みを進めています。

リスク選好に基づく業務執行

リスクアペタイト・フレームワークとは、一般に、リスク選好(リスクアペタイト)をリスクテイク方針全般に関する社内の共通言語として用いる経営管理の枠組みをいいますが、SBI新生銀行グループではその重要な前提がリスク選好と財務計画の整合性にあることに着目し、両者にかかわる既存の機能を統合的に運用することで、リスク選好に関する取締役会の意思と経営陣の執行を整合させる体制としています。

リスク管理

リスク管理体制の概要

当行のリスク管理をより実効的なものとするため、「グループリスクポリシー委員会」「案件審査委員会」「グループALM委員会」「市場取引統轄委員会」などの各種特定の委員会を設置しています。
委員会の構成や機能は、環境の変化に応じて継続的な改善を図りながら、いずれも重要なリスク判断を担う委員会として有効に機能しています。グループリスクポリシー委員会は、最高経営責任者(CEO)や、グループの経営企画担当およびリスク管理担当の担当役員を含む経営陣が参加し、リスク管理方針と並行して事業戦略をレビューすることにより、妥当かつ最適なリスク取得の規定や調整に重要な役割を果たしています。また、当行では、当行グループ全体が抱えるリスクの総和を把握し、能動的な管理を行っていくため、各種リスクについての基本的認識およびリスク管理の基本方針、「グループリスクマネジメントポリシー」として制定しています。

リスク管理の基本的な考え方

金融機関が有するリスクには、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクなど、さまざまなものがあります。
金融機関が、収益性の高い安定した業務運営を行うには、これらのリスクのコントロール、すなわち、いかにリスクを取っていくかを経営課題としてとらえることが必要です。そのためには、リスクが銀行全体の方針・個々の業務運営の方針などに沿って取得されているか、リスクが限度内にあるかが求められています。そのような監視機能の強化とリスク管理フレームワークの一層の整備に向け、与信案件に係る審査および案件承認、モニタリングを行う審査機能を設置するほか、信用リスクや市場リスクなどの計測・分析および公正価値の評価・検証に関する機能を集約したリスク統轄機能を設置しています。