SBI新生銀行コーポレートガバナンスに関する基本方針は、株式会社SBI新生銀行(以下「当行」という。)及びSBI新生銀行グループ(以下「当行グループ」という。)の持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に資することを目的として、当行のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方や取り組みの方針を定めるものである。
当行は、当行グループの経営理念の実現に向けて、コーポレートガバナンスの充実を経営の最重要課題の一つと認識し、監査役会設置会社としてコーポレートガバナンス体制を構築する。この体制により、①経営の最高意思決定機関である取締役会が中期経営計画や年度計画等経営の基本方針をはじめとする会社の重要な業務執行を決定することで、当行の向かう大きな方向性を示すとともに、経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備等を実施し、②業務執行及び取締役会から独立した監査役及び監査役会が取締役会に対する監査機能を担うことで、適切な経営の意思決定及び業務執行を実現するとともに組織的に十分牽制の効くコーポレートガバナンス体制の確立を目指す。
- 株主の権利・平等性の確保
株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行い、株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うとともに、株主の実質的な平等性の確保に努める。
- 株主総会
株主総会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備を、次のとおり行う。
i 株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると考えられる情報を、適切に提供する。
ii 株主が株主総会議案の十分な検討期間を確保することができるように、招集通知については早期に発送するとともに当行ウェブサイトで当該情報の公表を行う。
iii 株主との建設的な対話の充実、そのための正確な情報提供等の観点を考慮し、株主総会関連の日程を適切に設定する。
iv 機関投資家及び外国人投資家の利便に資するように、議決権電子行使プラットフォームを利用し、議決権の電子行使を可能とする環境を整備するとともに英文招集通知も公表する。
v 取締役会は、株主総会において可決には至ったものの相当数の反対票が投じられた会社提案議案があったときは、反対の理由及び反対票が多くなった原因の分析を行う。
- 投資家との建設的な対話に関する基本方針
当行は、会社法、金融商品取引法等の関係諸法令及び当行が有価証券を上場する証券取引所が定める適時開示に関する諸規則を遵守する。その上で、当行は、お客さま、株主・投資家・アナリスト等の皆さま、さらには地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーの皆さまが当行に対する理解を一層深めていただくとともに、経営の透明性及び社会的信頼の向上を図り、適正な企業価値評価に資することを目的として、会社情報の適時・適切かつ公平な開示に努める。
- 政策保有株式
i 保有方針
投資株式のうち、保有目的が純投資目的以外の目的であるものを政策保有株式とみなし、新規事業又は業務提携に伴い戦略的に保有するものを除き、原則として保有しない。
ただし、取引関係の関係維持強化等、個別の取引状況に鑑み、新規取得及び保有する必要があると判断した上場株式については、取得及び保有の適切性を検証する。また、保有している政策株式については、保有することによって得られるリターン及びリスクを踏まえた中長期的な経済合理性並びに将来の見通しを精査し、取締役会は年次でその結果を検証する。
ii 議決権の行使基準
保有する株式に係る議決権の行使に当たっては、対象議案について長期的な株主価値の向上に寄与するか、株主として不利益を被る可能性はないか、新規事業又は業務提携に伴う保有のときは保有意義を損なわないか等を基本として、賛否を判断する。
- 買収防衛策
買収防衛策の導入及び運用については、取締役会は、その必要性及び合理性を検討し、適正な手続を確保するとともに、株主に十分な説明を行う。
- 株主の利益を害する可能性のある資本政策
支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、既存株主を不当に害することのないように、その必要性・合理性を検討し、適正な手続を確保するとともに、株主に対して十分な説明を行う。
- 関連当事者取引
関連当事者等との取引については、当行又は株主共同の利益を害することのないように、適切に管理するための社内規程を制定し、取引を行うときは、事業上の必要性、合理性、取引条件の妥当性等を十分に検討した上で決定し、必要な開示を行う。
取締役及びその関係者等との利益相反取引については、社内規程に従って審議の上、取締役会の承認を受けるものとする。
親法人等との取引については、社内規程に従って審議の上、重要な取引の決定に当たっては、事前に取締役会の承認を受ける、又は取締役会への事前報告を行うこととする。加えて、親法人等との全ての取引については、半期ごとに取締役会に報告する。
- 多様性の確保
多様な視点と価値観の存在が、当行グループの持続的成長を実現する強みであると捉え、女性・外国人・中途採用者の管理職登用等の活躍促進を含む多様性の確保を推進し、その状況について定期的に公表する。
- サステナビリティ
環境・社会課題の解決を経営の最重要課題の一つと捉え、「事業を通じた環境・社会・お客さまへの長期的な貢献」と「当行グループの持続的な成長」との好循環を目指すことをサステナビリティ経営と定義し、積極的に推進する。
- 内部通報制度
当行の役職員等が銀行業務に係る全ての法令諸規則、社内規程等への違反に関して直接報告するための内部通報制度を設け、社内及び社外に内部通報窓口を設置する。また、情報提供者の秘匿及び不利益取扱の禁止をはじめとする、内部通報に係る適切な体制整備を行う。
- アセットオーナー
ⅰ 確定給付型企業年金制度に基づく積立金の運用については、アセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう、適切な資質を持った人材の配置等の人事面や運用面における取組みを行うとともに、企業年金の受益者と当行との利益相反が適切に管理する。
ⅱ 確定拠出年金制度については、従業員の安定的な資産形成に適した商品を選定するとともに、従業員に対して資産運用及び制度に関する十分な情報提供及び教育を行う。
- 取締役会等の体制
i 取締役会は、専門知識、経験等が異なる多様な取締役で構成するとともに、取締役会の機能が効率的かつ効果的に発揮可能な適切な員数を維持する。
ii 取締役のうち当行が定める独立性基準(別紙)を満たす独立社外取締役を原則として取締役会の員数の過半数選任する。
iii 取締役会機能の客観性及び透明性のさらなる向上を目的として、任意の指名・報酬委員会を設置する。
- 取締役会の役割・責務
i 取締役会は、会社法に定めるところに従い、経営の基本方針の決定及び業務執行に関する重要事項について決定するとともに、取締役の職務の執行を監督する。
ii 法令により取締役会の決定事項として定められた事項を除く業務執行については、取締役社長に委任するとともに、取締役会から委任された執行役員が担当役員として担当部署を管掌する体制を整備する。また、取締役会は、必要に応じて取締役又は執行役員に職務の執行の決定を委任する。
iii 取締役会は、中期経営計画が株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、その実現に向けて最善の努力を行う。また、取締役会は、中期経営計画の達成状況について十分に分析し、株主に説明を行うとともに、その分析を次期以降の計画に反映させる。
iv 取締役会は、必要な情報を得た上で、建設的で闊達な議論及び意見具申が行われることを促し、意思決定に当たっては多角的かつ十分な検討を行う。
v 取締役会は、中長期的な企業価値向上の観点から、当行グループのサステナビリティを巡る取組みについての基本方針を策定するとともに、経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、企業の持続的な成長に資するよう監督を行う。
vi 取締役会は、内部統制システム及びリスク管理の基本方針を定め、これらの有効性を確保するための体制の整備とその運用状況を監督する。
vii 取締役会は、取締役候補者の決定及び代表取締役社長の選解任に当たり、指名・報酬委員会に諮問し、同委員会の答申を勘案した上で決定する。
viii 取締役会は、執行役員の選任について、社内規程に定める基準に基づき、一定の候補者の中からその評価、業績等を踏まえて選任する。
ix 取締役会は、取締役、親法人を含む主要株主等関連当事者と当行との間の利益相反取引について適切な管理を行う。
- 取締役候補者の指名の手続及び基準
i 取締役候補者の決定に当たっては、取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会で審議の上、取締役会が同委員会の答申を勘案した上で適任であると判断した者を取締役候補者として決定し、株主総会の決議により選任する。
ii 取締役候補者の指名に当たっては、当行の規模を踏まえて、取締役会において役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力のバランスに加えて、ジェンダー、国際性、職歴及び年齢の面を考慮の上、選任基準を次のとおりとする。
a 業務執行取締役候補者
(1) 当行グループの業務に関する専門知識を有すること。
(2) 経営判断能力及び経営執行能力にすぐれていること。
(3) 法令上求められる取締役の適格要件を満たすこと。
b 社外取締役候補者
(1) 当行の取締役会に多様な視点を取り入れるとともに、経営陣の職務執行を適時適切に監督する観点から、広範な知識、豊富な経験及び出身の各分野において実績を有する者であること。
(2) 当行の独立判断基準を満たすとともに、一般株主との間で恒常的に実質的な利益相反が生じるおそれがない者であること。
(3) 他の会社(特に上場会社)の役員を兼任している、又は兼任するときは、兼務数については、当行の業務に支障がない合理的な範囲であること。
(4) 法令上求められる取締役の適格要件を満たすこと。
- 取締役の報酬の手続及び方針
i 手続
取締役の報酬については、株主総会において決議された報酬総額の範囲内で、指名・報酬委員会で審議を行い、その答申を受けた取締役会において報酬額を決定する。
ii 方針
次の方針に基づき、業務執行取締役の報酬等の額を決定する。
a グループ経営の推進及び中長期的なグループ経営理念の実現に向けた適切なインセンティブ付けを行う。
b 過度なリスクテイクは抑え、金融機関としての健全性維持に資する制度とする。
c 株価を意識し、より企業価値向上に向けたインセンティブが働く報酬制度を組み込む。
- 取締役会の評価
取締役会は、毎年1回以上、取締役会の機能向上を図るため、取締役会全体の実効性に関する評価及び分析を行う。
- 取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置し、取締役会は、次の事項を諮問する。また、指名・報酬委員会は、代表取締役社長の後継者計画に関与する。
i 取締役の選任及び解任に関する株主総会議案の内容
ii 代表取締役社長の選定及び解任に関する事項
iii 取締役の報酬等に関する事項
- 指名・報酬委員会の構成及び委員長は、次のとおりとする。
i 委員会は、社外取締役3名及び代表取締役社長をもって構成する。
ii 委員長は、社外取締役の中から委員会の決議によって選定する。
- 監査役及び監査役会の責務
i 監査役会は、取締役の職務の執行について、適法性及び妥当性の監査を行う。
ii 常勤監査役は、監査環境の整備を図り、社内情報収集による日常的な取締役の職務執行並びに内部統制システムの構築及び運用状況の監視・検証を行うとともに、その職務の遂行上、知り得た情報を他の監査役と共有する。
iii 社外監査役は、その経験・知識を活かし、強固な独立性及び客観的な立場から意見を表明することにより、監査役監査活動の実効性を高める。
iv 監査役及び監査役会は、自らの守備範囲を過度に狭く捉えることなく、能動的・積極的に権限を行使し、取締役会において又は経営陣に対して適切に意見を述べるように努める。
v 監査役及び監査役会は、社外取締役がその独立性に影響を受けることなく情報収集力の強化を図ることができるよう、社外取締役との連携の確保に努める。
- 監査役候補者の指名手続及び基準
監査役候補者の決定に当たっては、監査役会の同意を得た上で、監査役候補者として取締役会で決定の上、株主総会の決議により選任する。また、選任基準については次のとおりとする。
i 取締役の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識・経験を持っていること。
ii 監査役のうち少なくとも1名は、財務・会計・法務に関する知識を有していること。
iii 他の会社(特に上場会社)の役員を兼任している、又は兼任するときは、兼務数については、当行の業務に支障がない合理的な範囲であること。
iv 法令上求められる監査役の適格要件を満たすこと。
- 当行は、会計監査人の株主・投資家に対する責務を認識し、適正な監査の確保に向けて適切な対応を行うよう努める。
- 監査役会は、会計監査人の適正な監査の確保のため、会計監査人を適切に選定及び評価するための基準を策定し、会計監査人として求められる独立性と専門性を有しているか否かの確認を行う。
- 取締役会及び監査役会は、会計監査人の適正な監査の確保のため、十分な監査時間の確保に努め、最高経営責任者、グループ最高財務責任者等の経営陣幹部との定期的な意見交換の実施並びに監査役会、内部監査担当部署及び社外取締役との連携体制を整備する。また、会計監査人が不正、法令・定款違反等を発見し適切な対応を求めた場合及び不備、問題点等を指摘した場合に適切な措置を講じる体制を整備する。
- 取締役会の運営方針
取締役会は、審議の活性化のため会議運営の方針を次のとおり定める。
i 取締役会の議題、審議時間及び開催頻度については、重要な業務執行の決定及び職務執行の監督のために必要な議論が可能となるように設定する。
ii 取締役会の資料は、会日に十分に先立って、取締役及び監査役に配布する。
iii 付議及び報告事項に関する十分な情報を取締役及び監査役に対して提供する。
iv 年間の取締役会開催スケジュールや予想される付議及び報告事項についてあらかじめ取締役及び監査役に対して通知する。
- 取締役及び監査役への支援体制及びトレーニング
取締役及び監査役がその役割及び責務を実効的に果たすために、次のとおり必要な体制を整備する。
i 取締役及び監査役の支援を担う部署を設置する。
ii 社外取締役及び社外監査役の就任に際しては、当行グループの経営戦略、内部統制及びリスク管理の整備その他の重要な事項について説明し、知識及び知見を得る機会を設ける。
iii 就任後も取締役及び監査役が求められる責務について必要な情報を継続的に提供するように努める。
iv 取締役及び監査役が責務を果たすために必要と考えるときは、外部の専門家の助言を求めることができるものとし、取締役会はそのために合理的に必要な支援を行う。
v 取締役及び監査役が、知識の習得等が必要な時には、その機会提供を行い、それに必要な費用を負担する。
当行は、一般株主と利益相反が生じるおそれがない独立社外取締役及び独立社外監査役の 条件について、次のいずれにも該当しない者とする。
- 現在又は就任の前3年間、当行を主要な取引先とする者(*1)又はその業務執行者
- 現在又は就任の前3年間、当行の主要な取引先(*2)又はその業務執行者
- 当行から現在又は就任の前3年間、役員報酬以外に年間1,000万円を超える金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家
- 当行から、多額の金銭その他の財産(当行の連結経常収益の0.5%超)を得ている法律事務所、会計事務所、コンサルティング会社等の専門サービスを提供する法人等の一員
- 当行から、現在又は就任の前3年間、年間1,000万円又は相手先の年間売上高の2%のいずれかの大きい額を超える寄付等を受ける者又はその業務執行者
- 当行の主要株主、又は主要株主が法人等である場合はその業務執行者(過去3年以内に主要株主又はその業務執行者であった者を含む。)
- 次に掲げる者(重要でない者(*3)を除く。)の近親者(*4)(1)1から6までに掲げる者
(2)当行又はその親会社、子会社及び兄弟会社(*5)の取締役、監査役、執行役員等の使用人 - 再任の場合は、再任時点で在任期間が8年を超える者
- その他利益相反が生じるおそれがあると取締役会が判断した者
(*1)当該者の連結売上高に占める当行宛売上高の割合が2%を超える先
(*2)当行の連結総資産の0.5%を超える貸付けを行っている先
(*3)「重要」である者の例
- 各会社・取引先の役員・部長クラスの者
- 会計専門家・法律専門家については、公認会計士、弁護士等の専門的な資格を有する者
(*4)配偶者又は二親等以内の親族
(*5)当行と同一の親会社を有する他の会社
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コーポレートガバナンス報告書(2025年12月17日現在)
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