グローバル化の進展に伴い、近年、企業の人権課題が社会にもたらす影響が顕在化しています。国連は、2011年、「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持しました。「ビジネスと人権に関する指導原則」は、すべての国家とすべての企業を対象としており、ビジネスと人権に関する問題を解決するため、「保護、尊重、救済」の考え方を中心に、遵守すべき内容を31の原則にまとめたものです。このうち、企業の責任として、方針によるコミットメント、人権デュー・ディリジェンス、救済メカニズム、人権教育などが求められています。日本国家によるビジネスと人権への対応としては、2020年、政府が「ビジネスと人権に関する行動計画」を策定し、日本企業に対し、国際基準による人権尊重の対応への期待を示しました。そのため、企業においても、強制労働や児童労働をはじめとする人権侵害に対する考慮が、ビジネス活動をする上での重要要素に位置づけられるようになっています。
当行グループは、2018年に人権ポリシーを定め、人権尊重への取り組みを行ってまいりましたが、人権に対するこうした国内外の動向を踏まえ、2021年11月、「グループ人権ポリシー」を全面改正しました。なお、本ポリシーは、「世界人権宣言」、「国際人権規約」、「ビジネスと人権に関する指導原則」、「労働における基本原則と権利に関する ILO 宣言」および「子どもの権利とビジネス原則」の国際的な規範に準拠しています。
「グループ人権ポリシー」は、人権尊重へのコミットメントとして、あらゆる人権を尊重する責任を果たすという基本方針に加え、お客さまの人権の尊重、パートナーの人権の尊重、従業者の人権の尊重、企業活動に関連する地域社会の人々の人権の尊重を明記しています。また、人権課題に対する取組方針として、強制労働および児童労働、過重労働および長時間労働、心身の健康と安全の確保、結社の自由および団体交渉権、適正な賃金および同一労働同一賃金、差別、ハラスメント、プライバシーの権利を主要な人権課題としています。
加えて、人権デュー・ディリジェンス、救済メカニズム(従業者の相談窓口)、ステークホルダーとの対話、周知浸透・教育などの方針も掲げています。このうち、人権デュー・ディリジェンスは、企業活動における潜在的な人権リスクを管理し、企業へのネガティブな影響を回避・低減するための仕組み(人権リスク・マネジメント)であり、特に、従業者向け、お客さま向け、パートナー向けの人権デュー・ディリジェンスが重要であると認識しています。人権デュー・ディリジェンスの取組状況については、ステークホルダーごとに人権リスク・アセスメントのプロセス構築を進め、まずは、当行グループの主要会社を対象とする従業者向けの人権デュー・ディリジェンスから開始しています。お客さま(法人)向けの人権デュー・ディリジェンスについては、人権リスクがより大きな分野から優先的に対応できるよう効果的な評価手法の検討を進めています。

人権デュー・ディリジェンスのプロセス

人権への負の影響を特定し、その負の影響を防止、軽減するための一連のプロセスを継続的に実行することが重要と認識しています。

当行グループは、「グループ人権ポリシー」を人権尊重に関する最重要指針として、人権尊重の取り組みを推進していきます。