株式会社SBI新生銀行

~ 2023年7-9月期GDP(1次速報) ~

ポイント

  • 当行では、先行きの日本の実質GDP成長率について、2023年度が+1.4%、2024年度が+0.9%、2025年度が+0.9%、2026年度が+0.8%になると予測する。日本経済の回復シナリオは維持しているが、2023年度前半の民間需要の停滞を踏まえ、2025年度にかけての成長率は下方修正。
     
  • 2023年度前半の民間需要の停滞は、個人消費を中心に、コストプッシュ・インフレによる下押しが主因であろう。日本経済は、①社会・経済活動の正常化、②企業の賃金・価格設定行動の変化といった、前向きな動きが見られる反面、観測される実体経済のマクロデータは、やや勢いに欠ける。
     
  • 国内物価の見通しは、コアCPIベースで、2023年度が+2.8%、2024年度が+2.1%、2025年度が+1.5%、2026年度が+1.5%と見込む。企業による価格転嫁の長期化を想定し、2024年度を上方修正、3年連続で物価目標の2%を超える見通し。
     
  • 2024年春闘において、2023年並みの賃上げが実現する蓋然性は高まっていよう。しかし、物価の上振れにより、家計の実質賃金のプラス転化は、2025年以降に後ずれすると見込む。総合経済対策による下支え効果は一定程度見込まれるが、個人消費の停滞が2024年度にかけて長引くリスクに留意が必要であろう。

以 上

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