株式会社SBI新生銀行
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~ 2022年10-12月期GDP(2次速報) ~

ポイント

  • 2022年10-12月期のGDP2次速報値はほぼゼロ成長に下方修正され、日本経済の回復の鈍さを改めて示唆した。続く2023年1-3月期も伸び悩むと想定され、2022年度の成長率は+1.2%にとどまると見込む。

 

  • これまで堅調に推移してきた企業部門は、製造業を中心に陰りがみられる。もっとも、来年度の設備投資計画は高水準が維持されており、企業の設備投資マインドは崩れていないとみている。設備投資に加えて、企業部門から家計部門への好循環の波及(賃上げの継続)が引き続き日本経済回復の鍵を握ろう。

 

  • 日本経済の先行きについては、①感染症の影響緩和と②実質賃金の改善を背景に、個人消費の回復が続くと見込むほか、③インバウンド消費の増加が輸出の下支えに寄与し、段階的な回復が続く見通し。一方、日本銀行の金融政策修正に伴う、長期金利上昇が下振れリスクとなろう。

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  • 日本の実質GDP成長率は、2023年度が+1.2%、2024年度が+1.4%、2025年度が+1.3%と予測する。

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  • 今般の米銀破綻は、金融システムにおける急速な金融引き締めの影響顕在化の事例と言え、米国の金融政策運営にも影響を及ぼそう。米国ではインフレ抑制が引き続き重要課題であるものの、急速な金融引き締めの累積的効果が及ぼす今後の経済・物価および金融システムへの影響について、予断を持たずに注視する必要があろう。

以 上

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