株式会社SBI新生銀行
株式会社SBI新生銀行(代表取締役社長:川島 克哉、以下「SBI新生銀行」)、三井住友信託銀行株式会社(取締役社長:大山 一也、以下「三井住友信託銀行」)および株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:地下 誠二、以下「日本政策投資銀行」)(以下「アレンジャー」)は、共同して、株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「MOL」)向けに、アレンジャー3社および地域金融機関等11社が参加するシンジケーション方式の「トランジション・リンク・ローン」の融資契約(以下「本件」)を組成いたしました。
「トランジション・リンク・ローン」とは、気候変動緩和のための脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則った温室効果ガス削減の取り組みを行っている場合に、その取り組みを支援することを目的とした融資です。借入人のトランジション戦略と整合した「キー・パフォーマンス・インディケーター(以下「KPI」)」と「サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」)」を設定し、貸付条件とSPTに対する借入人のパフォーマンスを連動させ、SPT達成への動機付けを与えることで、借入人にトランジション戦略の実現に対するインセンティブを与え、社会における脱炭素化を促進させることを目指すものです。
MOLは2024年1月に「サステナブルファイナンス・フレームワーク」(以下「本フレームワーク」)を公表し、本フレームワークに基づくトランジション・リンク・ローンとして本件を締結しました。また、DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社(代表取締役:鈴木 知之、以下「DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン」)より、本フレームワークおよび本件のクライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(ICMA)※1、クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁・経済産業省・環境省)、サステナビリティ・リンク・ローン原則(LMA等)※2およびサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(環境省)等(以下、総称して「参照原則等」)への適合性ならびに設定したKPIとSPTの整合性について、セカンド・パーティ・オピニオン※3をそれぞれ取得しています。
また、MOLは2024年3月28日付で産業競争力強化法(以下「産強法」)に基づく事業適応計画について国土交通大臣の認定※4を受けており、本件には産強法に基づく「カーボンニュートラル実現に向けたトランジション推進のための金融支援制度(成果連動型利子補給制度)」(以下「利子補給制度」)※5が適用されます。なお、利子補給制度を活用したトランジション・リンク・ローンは海運業初となります。
アレンジャーは、トランジション・リンク・ローン等のサステナビリティに関するソリューションの提供により、SDGsの目標達成に向けたお客さまの事業活動を支援するとともに、お客さまの中長期的な企業価値の向上に貢献することを引き続き目指してまいります。
<MOLについて>
MOLは外航分野全般のほか内航やフェリーも手掛ける、我が国でも有数の海運事業者です。2023年3月に策定したグループ経営計画「BLUE ACTION 2035」において、環境戦略を主要戦略の一つと位置付け、「海洋・地球環境の保全」をサステナビリティ課題(マテリアリティ)の一つに掲げています。「2050年ネットゼロ・エミッション」の達成を目指し、ステークホルダーとの共創を通して環境課題の解決に取り組むとしています。
MOLのサステナビリティ課題(マテリアリティ)の全体像
サステナビリティ課題(マテリアリティ) |
取組みによって貢献するSDGs |
安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供 |
「目標 1:貧困をなくそう」 「目標 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 「目標 8:働きがいも経済成長も」 「目標 9:産業と技術革新の基盤をつくろう」 「目標11:住み続けられるまちづくりを」 「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」 |
海洋・地球環境の保全 |
「目標 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 「目標12:つくる責任 つかう責任」 「目標13:気候変動に具体的な対策を」 「目標14:海の豊かさを守ろう」 「目標15:陸の豊かさも守ろう」 |
人の活躍と地域社会の発展 |
「目標 4:質の高い教育をみんなに」 「目標 5:ジェンダー平等を実現しよう」 「目標 8:働きがいも経済成長も」 「目標10:人や国の不平等をなくそう」 「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」 |
海の技術を進化させるイノベーション |
「目標 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 「目標 9:産業と技術革新の基盤をつくろう」 「目標12:つくる責任 つかう責任」 「目標13:気候変動に具体的な対策を」 「目標14:海の豊かさを守ろう」 「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」 |
事業を支えるガバナンス・コンプライアンス |
「目標 5:ジェンダー平等を実現しよう」 「目標 8:働きがいも経済成長も」 「目標10:人や国の不平等をなくそう」 「目標12:つくる責任 つかう責任」 「目標16:平和と公正をすべての人に」 「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」 |
出典:MOLウェブサイト、サステナビリティ課題(マテリアリティ)を基にSBI新生銀行サステナブルインパクト評価室作成
<本件の概要>
借入人 |
株式会社商船三井 |
契約締結日 |
2024年4月25日 |
アレンジャー |
三井住友信託銀行、日本政策投資銀行、SBI新生銀行 |
エージェント |
三井住友信託銀行 |
貸付人(五十音順) |
池田泉州銀行、十八親和銀行、常陽銀行、住友生命保険、東邦銀行、日本政策投資銀行、八十二銀行、北洋銀行、北陸銀行、北海道銀行、三井住友信託銀行、武蔵野銀行、りそな銀行、SBI新生銀行 |
第三者評価機関 |
DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン |
※1 国際資本市場協会(ICMA)
スイスに本部を置く(1969 年設立以来チューリヒ)国際団体であり、世界 60 カ国の発行体、発行市場・流通市場取引仲介業者、アセット・マネージャー、投資家、資本市場インフラ運営者等500以上の会員から構成されています。
※2 ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)
欧州、中東、アフリカのシンジケートローン市場の流動性、効率性、透明性を改善することを目的とした協会であり、60ヶ国以上に属する700以上の機関が加盟しています。
※3 セカンド・パーティ・オピニオン
DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社のウェブサイトをご参照ください。
https://webmagazine.dnv.co.jp/sus_finance_list.html
※4 産強法に基づく事業適応計画について国土交通大臣の認定
経済産業省のウェブサイトに掲載される予定です。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/nintei_cn.html
※5 利子補給制度
経済産業省のウェブサイトをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/cnrishihokyu/index.html
印刷時には、PDFファイルをご利用ください。
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