地方創生――それは、私たち一人ひとりの未来に直結するテーマです。昭和リースと地銀系リース会社が、現場でどんな悩みや挑戦を分かち合い、どんな“共創”を生み出しているのか。本記事では、リアルな声とエピソードを通じて、「地域を元気にする金融の最前線」を追いかけます。
“相談相手”から“共創のハブ”へ――。昭和リースが描く新しい地方創生のかたち、ぜひご一読ください。
語るひと:
昭和リース 金融法人営業部 統轄次長 辻﨑 康弘さん
昭和リース 営業統括部 統轄次長 松村 峻さん
※部署・役職はインタビュー当時
「地方創生」という言葉が、単なるスローガンではなく、企業の戦略そのものとして語られる時代になりました。SBIグループもこのテーマを重要な柱と位置づけ、各社が地域経済の活性化に取り組んでいます。
昭和リースは、2023年度より毎年、「地銀系リース会社向けセミナー」を主催しています。その背景には、グループ方針の実行を超えた、地銀系リース会社との長年にわたる関係構築の歴史があります。
「地銀系リース会社と本格的に関わり始めたのは、もう10年ほど前からです。これまで地道にリレーションを築いてきました」と振り返るのは、昭和リースで多様な経験を積み、地銀系リース会社のカウンターパートを務めるベテラン社員の辻﨑さん。
「ここ数年、地銀系リース会社の各地銀グループ内での期待が変わってきたと感じます。以前は“堅実に”という印象が強かったのですが、今は“リース会社としてもっとグループの収益に貢献したい” “規模を拡大するにはどうしたらいいか”という声が増えています。」(辻﨑さん)
こうした変化の背景には、地方経済が直面する人口減少や経済規模の縮小、後継者不足、事業承継問題といった構造的な課題、そして地銀自体のビジネス環境の変化があります。地銀どうしが県域を超えて連携するなど、広域で協業する動きも活発化し、地域経済の持続的な発展に向けた新たな挑戦も始まっています。
「地銀系リース会社として、地域経済に資する新たな役割を模索する一方、“地銀系”ゆえのビジネスの閉塞感を感じる場面もあります。たとえば、新領域を開拓するためのノウハウや人材の面でやや手薄な部分がある現状や、“銀行法”の適用を受けるという点が新しい取り組みのハードルになることも少なくありません(※)。“このままじゃいけない”という危機感は、どの現場でも共通しています。」
そう語るのは、2025年2月に開催した第2回のセミナー運営を主導した営業統括部の松村さん。
「私たち昭和リースも、地銀系リース会社と同じく“銀行法”の適用を受けています。“やりたいことがあっても、法律の壁がある”という悩みは、すごく共感できるんです。案件の規模感など、地銀系リース会社と昭和リースには共通点も多い。だからこそ、“現場の知恵”を共有し、“同じ目線”で語り合えることが、リアルな課題解決につながるのだと思います。」(松村さん)
昭和リースのアクションの根底には、「地方創生」という大きなテーマがあるのはもちろんですが、実はそれだけではありません。昭和リースには、現場の声に耳を傾け、挑戦を後押しする風土が息づいています。その風土こそが、地銀系リース会社とのリアルな共創を生み出す原動力となっているのです。
次章以降では、昭和リースがどのように現場の課題や声に向き合い、共に歩んできたのか――その具体的な取り組みに迫ります。
(※)銀行が議決権の50%以上を保有し、銀行業に関連する業務を行う会社は、銀行法の適用を受けます。原則として「銀行業務に付随する業務」に限定されるため、業務内容や出資に制限があり、たとえば物品の販売や不動産業など、銀行業と直接関係のない事業には参入できません。
地銀系リース会社のカウンターパートを務める辻﨑さん(左)と、
セミナーを事務局として主導する松村さん(右)
昭和リースは、地銀系リース会社が抱える課題に真摯に耳を傾けてきました。
セミナー開催にあたっては、まず「今、何に困っているのか」を丁寧に整理することから始めました。見えてきたのは、地銀系リース会社が直面する具体的なニーズです。たとえば、新しいビジネスの開拓方法、外部ノウハウの取り込み、人材育成の加速化など──。これらは、昭和リース自身がこれまで試行錯誤を重ねてきた領域でもあります。その経験から得たノウハウを、惜しみなく提供できることが昭和リースの強みです。
セミナーでは、ファンドビジネスや不動産リースなど、昭和リースが切り拓いてきた新規ビジネスのノウハウを共有し、「銀行法をふまえながら、いかにビジネスを拡大していくか」といった実践的なテーマにも踏み込みました。実際、セミナーをきっかけに参加企業から個別相談が寄せられるなど、具体的なアクションにつながっています。
「ある地銀系リース会社からは、『セミナーで紹介された商品スキームを自社でも検討したい』という声がありました。」(辻﨑さん)
一方で、『自社にはまだ応用が難しい』『人材や体制が整っていない』といった現実的な悩みも率直に共有されました。
「ポジティブな声だけでなく、ネガティブな反応も含めて、すべてが貴重なフィードバックです。むしろ、課題を共有していただけたことで、次の支援の方向性が見えてきました。」(松村さん)
また、セミナーは単なるノウハウ提供の場にとどまらず、地銀系リース会社同士が悩みや工夫を共有し合うコミュニケーションの場にもなりました。『ノウハウの共有もありがたかったけれど、他社と交流できたのが一番の収穫だった』『自分たちだけじゃないんだと感じられた』という声が多く寄せられたのは、昭和リースにとっても大きな手応えです。
「昭和リースのセミナーに行くと、いろいろな出会いがあると思ってもらえると嬉しいです。そこから、小さなことでも何かあれば昭和リースに相談してみよう、そんな“良き相談相手”としての関係性ができてくると考えています」(松村さん)
第2回のセミナーには、全国各地の地銀系リース会社56社から90名が参加
「昭和リースの社員は、ちょっと“凝り性”な人が多いんですよ」と辻﨑さんは笑います。個々の案件でも、「ここまでやる?」と思うほど細部にこだわり抜く姿勢が、昭和リースの現場には根付いています。
辻﨑さん自身も、長年携わった「バイセル」ビジネスの経験が、今の仕事に大きく活きているといいます。「中古機械の売買を行ううえでは、金融のノウハウに加えて、物件そのものの価値を見極める力が重要になります。数多くの現場で、さまざまな物件をこの目で見てきた経験が、地銀系リース会社を担当する中でも本当に役立っています。」
松村さんも続けます。「銀行法の適用下でどんな新しいビジネスができるか、何度も社内で議論し、時には外部の専門家にも相談してきました。その積み重ねが、ファンドビジネスなど昭和リースならではの新しい領域を切り拓く原動力になっています。」
「昭和リースのカルチャーは、いい意味で“無駄”を恐れません。多様な人がいて、それぞれが自分のやりたいことにチャレンジできる。“やってみたい”と言えば、周りがサポートしてくれる。」(辻﨑さん)
今回のセミナー企画も、地銀系リース会社の“困りごと”に応えたいという、昭和リースのサポーティブで凝り性なカルチャーによるものかもしれません。
「仕事をしていて一番うれしいのは、“自分のアクションが誰かの役に立った”と実感できる瞬間です」と松村さんは語ります。
「私と同世代である30代・40代の地銀系リース会社の社員の方たちが、“自分たちも地域を元気にしたい”という強い想いを持っているのを感じます。私自身も、そうした仲間たちの期待に応えたいし、地方創生の現場で一緒に汗をかけることが何よりの原動力です。」(松村さん)
松村さんは、今後のセミナーについても構想を膨らませています。「これまでのセミナーは当社からの情報発信が中心でしたが、今後はより双方向性を重視した内容へと進化させたい。地銀系リース会社の皆さまから成功事例を紹介いただいたり、各社の取り組みを発表する機会を設けることで、参加者同士が刺激を受け合い、協働・共創を通じてさらなる成長につなげていきたいと考えています。」
「私たちが目指しているのは、地銀系リース会社がそれぞれの地域で自立的に価値を生み出せるようになることです。そのために、昭和リースが“つなぎ役”として機能する必要があると考えています」と辻﨑さんは語ります。
昭和リースの新中期経営計画では、地銀系リース会社との連携強化が重点施策のひとつに掲げられています。共同商品開発やデジタル化支援、地域課題解決型ファイナンスの提供など、地域の実情に即した多様な取り組みが進行中です。
「たとえば、地域の脱炭素ニーズに応えるリース商品や、空き家活用に関するファンドスキームなど、地銀系リース会社と一緒に企画・設計することで、より現場に根差したソリューションが生まれます」と松村さん。
こうした取り組みは、単なる事業拡大が目的ではなく、地域経済の持続可能性を高めるために金融機能がどうあるべきか──その問いに真摯に向き合う姿勢こそが、昭和リースのサステナビリティ戦略の根幹です。
「セミナーや勉強会を重ねるごとに、私たち自身の役割も少しずつ変化してきました。「昭和リースに相談してみよう」という“よき相談相手”の立場に加えて、今では「昭和リースがいれば、みんなで新しいことに挑戦できる」という期待も感じるようになっています。」
「今後は、テーマごとに分科会を設けたり、実際のプロジェクトを一緒に立ち上げたりすることで、“昭和リースがいるからできる”という安心感と、“みんなで挑戦できる”というワクワク感を両立させていきたいと考えています。」(松村さん)
昭和リースが目指すのは、「地銀系リース会社のプラットフォーマー」になること
辻﨑さんは「私たちが目指すのは、地銀系リース会社同士が共創し、地域の課題を一緒に解決していくためのプラットフォーマーになることです」と語ります。
「昭和リースが“ハブ”となり、“何かあったら相談しよう”から“みんなで新しい価値を生み出そう”へ。そんな関係性を、これからも育てていきたいです。」(辻﨑さん)
この「地銀系リース会社のプラットフォーマー」というビジョンは、単なる事業戦略ではありません。地域金融の持続可能性を支える“共創の仕組み”であり、SBI新生銀行グループが推進する「第4のメガバンク構想」にも深く結びついています。
「昭和リースのスローガン“Be a Partner”は、ただの言葉ではありません。お客さまやパートナー企業と本気で向き合うという姿勢を、日々の仕事で実践しています」と松村さん。「CCC(Change, Challenge, Collaboration)も、昭和リースのDNAです。変化を恐れず、挑戦し続け、仲間と協力して新しい価値を生み出す。その積み重ねが、今の昭和リースを作っていると思います。」
これからも昭和リースは、地域のパートナーとともに、持続可能な未来を切り拓いていきます。 “プラットフォーマー”を目指して、昭和リースの挑戦は続きます。