金融の役割が「資産形成」から「人生支援」へと広がる中、SBI新生銀行が打ち出した2つのサービス「U28 Zero世代」、「Bright 60」が注目されています。その背景には、金融を取り巻く急速な変化と、それにいち早く対応することでサステナブルな未来の実現を目指す現場の想いがあります。

語るひと:

SBI新生銀行 リテール営業部マスリテール担当 上野岳人さん
2020年入行。WEBマーケティング関連の業務の一環として、銀行口座数の増加を図るための広告制作、WEBサイトの作成・修正などを行う。他にデジタルサイネージを各支店に導入するなど、リアルチャネルの広告運用なども幅広く手がけている。

※部署、役職はインタビュー当時

未来を拓く金融包摂のかたち

―2024年度リリースの新サービス「U28 Zero世代」と「Bright 60」が大きな反響を呼んでいます。

いずれも新聞やテレビ等、各種メディアでも大きく取り上げられ、お客さまからも大変ご好評をいただいています。

銀行がサステナビリティの文脈で果たすべき役割のひとつに「金融包摂(きんゆうほうせつ)」(※)があります。あらゆるお客さまに利便性の高い金融サービスを提供するために、当行としての差別化戦略を検討するなかで、ライフステージに応じたサービスの構想を温めてきました。中でも特にフォーカスすべきと考えたのが、若年層のお客さまと、60歳以上のお客さまです。

(※)年齢や所得、地域にかかわらず、すべての人が金融サービスにアクセスできる社会を目指す取り組み
 

若年層については、例えばこれから貯蓄を始める新社会人や、初めて生活費を自己管理する一人暮らしの学生などの潜在的なお客さまに向けて、資産形成とともに金融リテラシー向上のお手伝いができないかと考えました。一方の60歳以上のお客さまについては、退職やお孫さんの誕生など、さまざまな生活の変化を迎えられる中で、資産運用の頼れるパートナーとして寄り添いたいという思いがありました。そうして生まれたのが、「U28 Zero世代」と「Bright 60」です。

―あらためて両サービスの特徴を教えてください。

「U28 Zero世代」は0歳から満28歳以下のお客さまであれば口座を開設するだけで、「Bright 60」は60歳以上のお客さまであれば口座開設後に入会するだけで、当行の最上位ステージである「ダイヤモンドステージ」や会員限定の特典を受けることができるというサービスです。通常、「ダイヤモンドステージ」の優遇プログラムが適用されるためにはいくつかの条件を満たすことが必要となりますが、両サービスは対象年齢であれば誰でも特典を受けられる、という点が大きな特徴です。

特定の年齢層を対象にしたサービスは他行にもありますが、いくつかの適用条件が設定されていることが多く、シンプルに年齢だけを条件とする点は、他に類を見ない特徴だと思います。

「はじめて」と「これから」に寄り添うサービスを

―まず2024年11月にリリースしたのが若年層を対象にした「U28 Zero世代」でした。

「U28 Zero世代」は20代の社会人を想定していたサービスですが、実際には0歳、15歳、18歳など、お子さまの節目にあわせて、新たに口座を作ろうという親御さまからのお申し込みも非常に多くいただいています。本サービスを入口として、親御さま自身との新たなお取引へとつながるケースも増えています。

私は新卒で初めて配属されたのが新宿支店だったのですが、お客さまと接する中で、若い世代ほど手数料の安さを重視し、年齢層が上がるにつれて金利の高さに関心が移っていくような印象を持っていました。今回、「U28 Zero世代」への反響を通じて、金利ある世界の訪れとともに、20代以下のお客さまの間でも金利感応度が高まってきていると実感しています。

 

―広告のさわやかなビジュアルも印象的です。

若者層のフレッシュなイメージを伝えるために、清涼飲料水のCMのようなさわやかさを意識しました(笑)。ただ、20代以下のお客さまは新聞やテレビをあまり利用せず、SNSなどの広告も反射的にスキップする傾向があるため、情報を届ける難しさを感じています。一方で、意思決定の際には、ご家庭やアルバイト先などで接する“自分が信頼している大人”の意見を重視する傾向があり、最終的な判断には意外とアナログなコミュニケーションが大きな役割を果たしていることもあります。そのため直接的なリーチの強化はもちろん、親御さまなどの世代にも「U28 Zero世代」の魅力をもっと訴求していきたいですね。

―次いで2025年2月には「Bright 60」をリリースしましたが、こちらは「U28 Zero世代」を上回る反響があったと聞いています。

60代以上のお客さまは、新聞やテレビなどのメディアを見てお申し込みされるケースが多く、報道があった日などはありがたいことに、大変多くのお問い合わせをいただいています。中でも、公私ともに忙しく過ごしている60代の方、いわゆるアクティブシニアのお客さまからのお申し込みが大半を占めます。複数ある口座の棚卸を進める中で、「Bright 60」を機に、当行をメインバンクとしてお選びいただくケースも多いです。

 

―今の60代は、ひと昔前の60代とは生活スタイルや価値観が大きく変化している印象です。

デジタルデバイスに対しても抵抗がなく、SNSやYouTubeなどに日常的に触れている方も多いですね。そのため、若年層のお客さまに限らず、幅広い世代においてネットやアプリ経由で手続きを完結できるサービスへのニーズは高まっています。

 

一方で、昨今社会問題化している口座乗っ取り被害の影響もあり、年齢層が高くなるほど、ネットサービスのセキュリティに対する不安のコメントも多く聞かれます。こうしたご意見にお応えすべく、当行では2025年7月14日にスマートフォンアプリのメジャーアップデートを実施しました。利便性の向上はもちろんなのですが、従前より生体認証によるログインに対応していますし、スマホ認証サービスとあわせてご利用いただけば、より一層安全・安心にお取引いただけます。

一人ひとりの人生の伴走者を目指して

―SBIグループとの連携という点でも、まだまだ両サービスの伸びしろはありそうですね。

2024年10月より、SBI証券の口座をお持ちのすべてのお客さまに、ダイヤモンドステージの優遇プログラムを提供するサービスを開始しています。「U28 Zero世代」「Bright 60」と合わせて、理論上は全世代のお客さまに当行の最上位ステージのサービスをご提供できる体制が整ったことになります。

金融業への他業種からの参入が進む中、多種多様なチャネルを持つSBIグループとの連携は当行の大きな強みのひとつですので、「顧客中心主義」をお客さまにより実感していただけるような商品・サービス開発や取り組みを続けていきたいと思います。

 

―最後に、中期経営計画では今後3年間で目指す姿として中期ビジョン「次世代金融、共に築き切り拓く未来」が掲げられています。上野さんがご自身の業務を通じて実現したい「次世代金融」とはどのようなものでしょうか。

世代やライフスタイル、価値観が多様化する現代において、金融に求められる役割は、資産形成や資産運用のお手伝いをすることにとどまりません。私たちはお客さま一人ひとりの人生に寄り添いより豊かで安心できる未来を共に描いていく伴走者であるべきだと考えています。

マーケティングの立場からは、お客さまからのリアルな声を商品・サービスに転化させるサイクルを通じて、お客さまとともに次世代の新たな価値観を生み出し、経済的にも持続可能で環境・社会に配慮したサステナブルな未来を作り上げていきたいです。

現在、人生の伴走者としてのサービスをさらに進化させるべく、「ライフステージ」に次ぐ新たな視点からのアプローチも検討中で、人生100年時代にふさわしい、より柔軟で多様な金融のあり方を模索しています。みなさまどうぞ今後の展開にご期待ください。