SBI新生銀行では、環境配慮型住宅を対象とした住宅ローン金利優遇プログラムの提供など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。住宅ローンの金利優遇プログラム開発の目的は、脱炭素社会の実現に向け、環境・社会の課題解決に寄与する家づくりに取り組む個人のお客さまへの資金面での支援です。
取り組みの1つとして、2024年4月、建築物の省エネルギー性能の評価基準であるBELS評価書を取得しZEH水準の省エネ性能であることが証明された住宅に対して金利優遇する、<ZEH住宅限定>住宅ローン優遇金利プログラムを導入しました。そして、ZEH基準を満たした住宅を新築し、かつ幅広く住関連サービスを提供するLIXIL TEPCO スマートパートナーズ(以下、「LTSP」)の「建て得」*1を契約されたお客さまが、住宅ローンを新規にお借り入れしていただいた場合に金利優遇する、「建て得」ご契約者さま限定の住宅ローン優遇金利プログラムの提供も開始しています。
*12024年5月22日 ニュースリリース「建て得」を利用したZEH住宅に対する住宅ローン優遇金利プログラム提供開始のお知らせ[SBI新生銀行]
この記事では、SBI新生銀行が提供する環境配慮型住宅向けの住宅ローン金利優遇プログラムの開発経緯や他業種との協業について、住宅ローン部の3名にお話を聞きました。
語るひと:
多賀光男 住宅ローン部 住関連ビジネス企画 統轄次長
加藤健太郎 住宅ローン部 住関連ビジネス企画 営業推進役
小湊隆弘 住宅ローン部 住関連ビジネス企画 営業推進役(兼グループ個人営業企画部サステナビリティ推進室)
※部署・役職はインタビュー当時
――まずは、<ZEH住宅限定>住宅ローン優遇金利プログラムについて教えてください。
リテール向けの商品開発として住宅ローンの立ち上げにも参加していた多賀さん。住宅ローンへの思い入れも人一倍です。
多賀:<ZEH住宅限定>住宅ローン優遇金利プログラムは、当行が定めるZEH基準を満たした住宅に当初借入金利から年0.01%引き下げるというものです。
加藤:2030年以降、新築住宅にはZEH水準の省エネ性能を満たすことが求められており、今後、家を建てるために必要な許可を得るために満たさなければならない省エネ水準が段階的に引き上げられていく予定です。
他行では環境配慮型住宅に対する住宅ローン優遇施策を導入している例があり、当行も省エネ住宅の普及に住宅ローンの側面から貢献することは、金融機関としての責務と考えています。
※ZEH基準
戸建:ZEH、ZEH+、Nearly ZEH、Nearly ZEH+、ZEH Oriented
マンション:ZEH-M、Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Oriented
ZEH金利優遇プログラム | 住宅ローン | SBI新生銀行
LIXILとの協議に当初から参加し、環境配慮型住宅の広がりを肌で感じていると話す加藤さん。
――<ZEH住宅限定>住宅ローン優遇金利プログラムの開発はLIXILとの協業がきっかけとお聞きしました。
加藤:2021年ごろから、LIXILの高い断熱性能を誇る高性能窓や玄関ドアなどの建築資材の販売を推進する部署との接点が生まれ、協業の可能性について協議していました。当初は、現金払いが主流のリフォーム案件でどのようにローンの活用を広めるかというご相談をいただいていましたが、当行がSBIグループ入りし、住宅ローンビジネスにおいても拡大路線となったことをきっかけに新築案件を対象とした協業のご提案をいただきました。
――「建て得」ご契約者さま限定の住宅ローン優遇金利プログラムの内容について教えてください。
多賀:「建て得」ご契約者さま限定の住宅ローン優遇金利プログラムは、「建て得」を利用し太陽光発電システムを設置してZEH住宅を新築されたお客さまに対して当初借入金利から年0.02%引き下げるというものです。
2024年5月22日 ニュースリリース「建て得」を利用したZEH住宅に対する住宅ローン優遇金利プログラム提供開始のお知らせ[SBI新生銀行]
加藤:お客さまはLTSPが提供する「建て得」を利用することで、実質0円で太陽光発電システムを導入でき、さらに当行が提供する「建て得」ご契約者さま限定の住宅ローン優遇金利プログラムのご利用により、より有利な条件でZEH住宅を建てることができます。このプログラムは、社会課題の解決に資する取り組みである上に、お客さまにとってもメリットが大きいとしてLIXILおよびLIXIL TEPCO スマートパートナーズからも高い評価をいただいているところです。
■LIXIL TEPCO スマートパートナーズが提供する「建て得」サービス
実質0円の仕組み
お客さまはLTSPから太陽光発電システムを購入し、LTSPは余剰電力の売電収入を15年にわたって受け取ります。これにより、設置した太陽光発電システムにかかる購入金額を相殺して実質0円にする仕組みです。
――他社が展開しているサービスに限定した商品は珍しいですが、どのような狙いがあったのでしょうか。
多賀:グループ内の会社やデベロッパー、ハウスメーカーなどとはたくさん提携してきましたが、建材メーカーとの提携はLIXILが初めてです。
私たちの部署が扱うのは、元々は「住宅ローン」という1つの商材ですが、他社との協業やグループ内のシナジー効果によって商品力を強化していきたいと考えています。つまり、お客さまに喜ばれる商品、社会課題の解決につながる商品へとどれだけ昇華するかが問われているわけです。
高機能建材や太陽光発電システムを設置した住宅の普及に向けた住宅ローンという形で時代の潮流であるサステナビリティに貢献できる機会を創出したことで、銀行サービスとして新たな可能性が開けたと感じています。
加藤:LIXILとの協業で得たきっかけを無駄にせず、環境配慮型住宅に対する住宅ローン優遇商品をさらに普及させていきたいと考えています。
――新しく環境配慮型住宅向けの住宅ローンの取り扱いを開始するにあたり、社内への研修やセールス担当への説明は小湊さんが担当されたと伺っています。
多賀:そうですね、当行サステナビリティ推進室と兼務の小湊さんは、SBI新生銀行グループの個人ビジネスに携わる役職員向けに発信しているメールマガジン「サステナビリティ通信」の担当をしていることもあり、セールス向けの研修担当をお願いしました。
小湊さんは、住宅ローンのほかに社内向けメールマガジン「サステナビリティ通信」の企画・編集を担当しています。
小湊:ご相談を受け、サステナビリティに関する商品をセールスの人たちに理解してもらう役割とあって、私自身も適役だと思いました。(笑)
研修はリモート形式で実施し、商品の概要や環境認証制度など、お客さまにとってのメリットなどを中心にお伝えしました。
――研修を行って、皆さんの反応はどうでしたか。
小湊:優遇金利適用の条件として提出を求めているBELS評価書について、そのほかの第三者機関の証明書での審査の可否を問う質問が、当サービス導入後に多く寄せられました。それだけ環境配慮型住宅の建築を検討するお客さまが増えているということであり、これまで当行に環境配慮型住宅への金利優遇プランがないためにセールスの人たちは歯がゆい思いをしていたのかもしれないと推察しています。
個々のニーズに合わせたサービスの提供を使命とするセールスの人たちにとって、お客さまに提示できる選択肢が1つ追加されたことは大きいですよね。
――最後に、住宅ローン領域でサステナビリティに関わる商品の担当者として、今後の展望を聞かせてください。
住宅ローンを通じて、社会貢献ができる意義を話し合う3人
加藤:2012年頃に初めて住宅ローン部に配属された当時は、ZEHという言葉も聞きなじみがなく、太陽光発電システム設置の義務化の動きもありませんでした。この10年で、世の中の潮流は大きく変化し、「良い住宅」の概念が変わったことを実感しています。
そうした社会環境の変遷に最前線で携わった今回の経験を糧に、世の中のトレンドを捉えた商品企画で社会に貢献していきたいと思います。金融機関で働く者として社会課題とどう関わるのか、真摯に考え続けていきたいですね。
小湊:住宅ローンをうまく活用したいお客さまのためにも、それを売るためにはセールスが理解を深めることが欠かせません。元々SBI新生銀行の住宅ローンは質の高さで知られています。意義のある銀行サービスをセールスの人たちが販売しやすくするためのサポートを、今後も続けていきたいですね。
多賀:学生時代の恩師が、自分が目にした世界の環境課題や労働問題などについてよく話をしてくれました。当時の私は先生の話に夢中になり、いつか自分も仕事を通じて社会課題の解決に貢献できたらいいな、と漠然と思っていたんです。
実際に働き始めてからはなかなかそうした機会に巡り合いませんでしたが、今回の取り組みを通じて、長いこと心の中に潜んでいた思いを形にできたような気がしました。加藤さんと同じく金融機関で働く一人として、住宅ローンという商材を通して社会にできることをこれからも追求していくつもりです。
【編集後記】
継続的な社会に向け、ZEH住宅やサステナビリティへの取り組みが活発化している昨今、SBI新生銀行でもリテール向け住宅ローンを充足させ、社会への貢献度の高い銀行サービスが加速度的に推進されていることがわかりました。SBI新生銀行グループの環境・社会課題の解決に向けた積極的なプロジェクト展開に期待がかかります。
取材・文:藤巻史 撮影:橋本千尋